小説

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逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!

7 貴方なしでは生きられないようです3

「お嬢様、殿下からの贈り物が届いておりますよ。」 光の降り注ぐ窓辺で午前のティータイムを楽しんでいたところにハンナが伝えにやってきた。 朝に会ったときにはルドルフは何も言っていなかったのに。  贈ってくれたのは、...
逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!

7 貴方なしでは生きられないようです2

 王太子が見舞いに来てからひと月。 何百年にもわたってバーベンベルク家が住居としてきた王宮。 あれよあれという間に王族の私的な住まいであるここに私の部屋が与えられて、引っ越しまで終わってしまった。 増改築が繰り返...
逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!

6 王太子ルドルフの決意

 ハイリゲンクロイツ王国。大陸を十字の形に横断する国で、北には優駿な山々を、南には美しい海を抱く自然豊かで、文化産業も発展している。 建国の祖が光の魔法を使ったとされ、大陸各国にある神殿を統括する聖地でもある。 この地を代々治...
逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!

5 貴方なしでは生きられないようです1

 王太子側近のクラウスがアルノルト大神官と、王宮付き医師のキルヒマン博士を連れて侯爵家に戻ってきたとき、既に父、カレンベルク侯爵は帰宅していた。 その間も、ルドルフは、 「もう少しやってみるか」 と言って、私に魔力を与え...
逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!

4 悪役令嬢は逆行する4

 窓から見える空が茜色に染まる頃、部屋の扉が叩かれた。魔力不足でうつらうつらしていた私ははっとした。朝、兄に分けてもらった魔力は大分つきかけている。 「あぁ、エラ起こしてしまったか?ルドルフ…殿下とクラウスが来てくれたよ。」 ...
逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!

3 悪役令嬢は逆行する3

 重ねられた手からじんわりと魔力が伝わってくる。カラカラに乾いた土地にじょうろで水をまくようなもので、直ぐに土にしみて消えていくが、2時間もやっていると若干湿り気を帯びたようにはなる。これこそが今の私の命を繋ぐものだ。 「エラ、どう...
逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!

2 悪役令嬢は逆行する2

2  「あぁ!エラ!本当に目が覚めたのね。良かったわ!」  重い扉を物ともせず勢い良く開けて、母がベッドに駆け寄ってくる。後ろからは父がほっと安堵した様子をみせている。  「まだ顔色が悪い。あまり騒がしくするなよ。」 ...
逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!

1 悪役令嬢は逆行する1

左胸に刺さった輝く剣の周りから、じわじわと血が滲んでくる。鈍い痛みが遅れて襲ってきた。 _あぁ。痛い。私、死ぬのだわ。 多くの罪無き人々を傷つけた。その償いは自らの命をもってするしかない。国を、いや世界を破滅へ導く邪悪な魔女。...
ウィーンの月が奏でる音楽

エピローグ

ウィーンはまた夏の季節を迎えていた。中庭に植えられたねむの木は、薄い紅色の花を枝先につけて桃のような甘い香りを放っている。陽があまり高くならないうちにリクライニングチェアを出してのんびりするのが最近の楽しみだ。ベルガモットの香りのハーブテ...
ウィーンの月が奏でる音楽

第十一章 再び

1  エレナがウィーンに帰ると聞いて、一番残念がったのは紫乃だった。「観劇に行ったり、お買い物ももっとしたかったわ。海外だって行ってもよかったのに…。」義母には本当に良くしてもらったが、そのうち彼女の好きな着物で、着せ替え人形できる...
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