逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!

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逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!

76 伝説の真実3

『盗まれた?』 「ええ。王宮の宝物庫の奥に鍵もかけてしまってあったのだけど…。盗んだのは私の侍女ミリーだわ。同じ…北の村の出身で、素直ないい子なの。とても信頼していたから…話したのだけど、それがいけなかったのね。彼女は魅了の力を手に...
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75 伝説の真実2

龍の住む洞穴は、山の奥深くにあるためか冬の防寒着を着ていると汗ばむほどで、私は分厚い外套を脱いだ。龍の身体が発する瘴気は強烈だが、洞穴の外で感じた嫌な感じがないのが不思議だった。 「フリードリヒはあなたの鱗を持ち帰って王になったのだ...
逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!

74 伝説の真実1

「ああ…ようやく会えた」  横のルドルフを見上げると、彼はそう龍に答えた。私と同じように声が聞こえているようだ。 「なぜ…そのような姿に?以前はこんなに…瘴気にまみれていなかった」 『…お前は時間を遡ったな。これが我のあ...
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73 伝説との邂逅

 岩壁にぽっかりと口を開ける洞穴は真っ暗で、不気味な気配が漂っている。本能が入ってはいけないと訴えかけてくる。しかも奥の方からは、強烈な瘴気が漂ってくる。光の魔法を持つ私たちでなければ吸い込んだだけで呼吸困難に陥りそうなほどだ。  ...
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72 断崖絶壁を登る

ベルトとロープを金具で繋ぎ、ルドルフに続いて、彼の作ってくれる足場を頼りによじ登り始めた。岩、というよりむしろその冷たさはもはや氷そのもので、風の冷たさと岩の冷たさが気力と体力とを一気に奪う。一歩ずつゆっくりと登っていく歩みが芋虫のように...
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71 ほのかな灯りの中で

山道を登っていくにつれ、冷気は厳しさを増していく。木々には氷が何重にも張り付いて、白い大きな木のようになっていた。それが何十本も集まっていて、幻想的な冬の景色になっている。 「わぁ…きれい」 思わずそう声が漏れ、辺りの木々を見...
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70 魔獣

ルドルフの視線の先に目をやるが、私には何も見えない。ただ雪を被った木々と、岩々があるだけだ。 ルドルフに手招きされ、岩の後ろに身体を隠した。眉間に皺を寄せ、険しい顔をしたルドルフが小さな声で言う。 「静かにしていろ」 「...
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68 私たちが背負うもの

ウルリヒは父親に付き添われて王都へと護送された。魔薬シンジゲートの首謀者の移送は慎重に行われた。連中を一網打尽にしたが、まだ残党がいないとも限らない。万が一にも途中で奪還されてはいけないので、一個師団が警護に当たり、アレクが付き添った。戻...
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69 山の奥地へ

「いいか?エラ、くれぐれも気を付けるんだぞ?」「お兄様。もぅ。わかってますってば」「足元が凍ってるからな。滑るなよ」 もうこのやり取り、何回目だろう。 「はいはい。まったく…心配性なのは父様に似たのですか?」「父上がいたら2人きりで...
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67 伯爵令息の堕落2

ある時いつものように、路地裏の店で薬を買った。「スノーを10本」スノーは魔薬の隠語だ。いつもなら大量注文でも、黙って奥から瓶を持ってくる女主人だが、その時は違った。「今日は5本しかないよ。最近取締りが厳しいんだ」「そうか。」  国王...
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