2023-05

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逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!

80 光の中へ

私たちは白い世界の中にあった。  神龍の頭から放たれたまばゆい光は私たちを、洞窟を覆いつくし、辺り全体を光の中に包み込んだ。 逞しい温もりが、私の身体を優しくだがしっかりと包むこむ。 「どうして…」 戸惑いからつい...
逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!

79 覚悟

 龍は巨大な身体をゆっくりと動かして四本の脚を折って腹を地面に着ける。そして頭を下ろし、自らの急所である眉間を晒した。 『さあ…』 龍は私を紫の眼で見据える。私は目と目を合わせたまま、ゆっくりと腰に差した短剣に手をかけた。 ...
逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!

78 提案

 龍はティアを抱いていた前足を緩め、胴体を少し浮かせた。 フリードリヒは老いて瘦せていたが、歳の割に逞しい腕で彼女の亡骸をしっかりと抱えた。 『光の力は大地に還ればまた蘇り、適合する器を探し、その人間を通して瘴気を浄化する。決...
逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!

77 伝説の真実4

『今さら…よく来れたものだな』 龍の声には怒気が含まれていた。 「……」 フリードリヒはうなだれる。言い訳をするつもりはないようだ。 「どうかティアを弔わせてくれ…」 『せっかく光を与えてやったのに、使い方を...
逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!

76 伝説の真実3

『盗まれた?』 「ええ。王宮の宝物庫の奥に鍵もかけてしまってあったのだけど…。盗んだのは私の侍女ミリーだわ。同じ…北の村の出身で、素直ないい子なの。とても信頼していたから…話したのだけど、それがいけなかったのね。彼女は魅了の力を手に...
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