2022-10

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逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!

39 侯爵邸にて

私の社交界デビューとなる王宮舞踏会を明日に控え、私は侍女のハンナと共に昨日侯爵家に戻ってきている。着いて早速父の書斎に呼ばれ、父と兄と話をした。  父と兄は改めて私と話しておきたかったようだ。特に私が魔力を失った後に、ルドルフから自...
逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!

38 栄光を取り戻す

そして魔力判定の儀式の日がやってきた。  アカデミーの大広間。私は母と並んでバルコニーの貴賓席にいた。儀式を受ける学生の家族は招待されるので、私は兄の付き添いということでここにいる。久しぶりに会った母は変わらない気高さがあるが、どこ...
逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!

37 それは分かりにくいです

アルノルト神官は私とルドルフの前に座り、私たちとの間には中で色とりどりの光が蠢く水晶があった。  アルノルト神官は、細面の中性的で美しく整った顔に柔らかでにこやかな笑みを浮かべていた。腰まで届く金髪には艶があって、どうみても30代く...
逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!

36 心を包み合おう

 父と兄は小さい頃のように、代わる代わるよしよしと私の頭を撫でる。ルドルフは私たち家族の様子を見守っていたが、不意に私の腰の辺りに手を回し、彼らから引きはがした。 ―!? 「もういいだろう」  声色に苛立ちが混じっている...
逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!

35 私の家族

「お父様…?」  私は驚きの声を上げる。 「俺が呼んだんだ」  ルドルフはそう言って私の両肩を叩いた。 「王国の小さき太陽に拝謁申し上げます。大神官様におかれましてもご機嫌麗しく」 カレンベルク侯爵家当主ヴァ...
逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!

34 以前の私と今の私

  「…聖女?私が…?」  私は神官の言葉の意味を上手く飲み込めずにいた。 「そんなことできませんよ。だって光の魔力が…あ…」 とそこまで言って、思い当たった。昨夜散々魔力を注がれたことを。 「光の魔力はお前...
逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!

33 神殿は初代聖女を祀ります

 神殿へと向かう馬車の中で、なぜか私はルドルフの膝の上に座らされている。文句の一つも言いたいところだが、にまにまと、満足そうにしているルドルフの顔を見ると、何も言えなくなってしまう。  今も上半分だけ編み上げた私の髪をすくっては自分...
逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!

32 どうやら限界突破のようです

「ま。待ってください、限界って…」 私の身体を挟んで寝台に両腕をついたルドルフは荒い息をしている。「魔力が暴走しそうだ」 そう言った王太子の頬は赤く、サファイアの瞳には妖しい光がさしている。首筋には玉のような汗が光り、とてつもない色気を放...
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