2023-02

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逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!

67 伯爵令息の堕落2

ある時いつものように、路地裏の店で薬を買った。「スノーを10本」スノーは魔薬の隠語だ。いつもなら大量注文でも、黙って奥から瓶を持ってくる女主人だが、その時は違った。「今日は5本しかないよ。最近取締りが厳しいんだ」「そうか。」  国王...
逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!

66 伯爵令息の堕落1

 ウルリヒ自身はさしたる抵抗もなく、捕縛された。ツェーエンの領館に連れてこられたとき、10人程の屈強な騎士団員に囲まれた彼は、家屋上げて真っ直ぐに前を見据えていた。 堂々として穏やかで、口元にはうっすらと笑みすら浮かんでいた。動揺も...
逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!

65 潜伏

 出陣の準備は速やかに進められた。まだ雪の解けない北方への遠征とあって、毛皮の装備がかなりの重量になる。冬の魔獣討伐を経験した者はほとんどなく、初めての冬の実戦となる。騎士団にも魔術師団にも戦に赴く独特の緊張感がただよっていた。  ...
逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!

再び動き出す時間

 国王レオポルト3世陛下は、寝室の大きな寝台で、身体の半分を起こしていた。頬はややこけてはいるものの、血色はずっと良い。何より瞳に生気と威厳が戻っている。 「お前たちか」 私たちを見て、いつもの穏やかな笑みを浮かべる。傍らには...
逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!

63 尋問

 窓の外には灰色の雲が広がっていてうすら寒く、また雪が降りそうだ。王都は少し暖かく感じる日もあったが、また真冬に戻ったような天気になっている。  王太子の執務室。ルドルフは、机に両肘をついて、口元で両手を組んでいた。 「だから...
逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!

62 逃亡

だんまりを決め込むかと思ったウルリヒはどういうわけか饒舌になった。 もはや言い逃れできないと踏んで全部話す気になったのか…。私たちは判断しかねた。ただ、伯爵令息という身分上、いきなり縄をかけるわけにもいかず、彼の話を黙って聞くほかな...
逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!

61 正体

「どういうことよ!何よ!どうなってるのよぉ!」 ミアは顔を赤くして泣き叫ぶ。私も含めてその場にいた者は皆ミアが錯乱したと思っただろう。ミアは酷く混乱し、そして怒っているようだった。ベルタ王女は美麗な眉をひそめる。 「あなた、何...
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