逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!

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逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!

56 桃色の暗い影

「…待ってください。何かの間違いです!」 私は必死だった。私がいつ市民をないがしろにした?全くもって心当たりがない。とんでもない。誤解だ。「分かっているさ。私の娘がそんなことをするはずはない。だが、陛下は確信なさっていてな…誰から何を聞い...
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55 婚約の行方

ここ数日間、私は王宮での祭儀の準備に追われていた。祭儀は基本的に大神殿で行っているが、年に数回王宮内の神殿でも執り行われる。王族の誕生日などの特別な日に行われる祭儀である。今回は先代国王の命日に合わせて王宮で祭儀が行われる。聖女が明らかに...
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54 王女の恋愛事情

 王宮神殿の中庭を抜けた先の建物は、赤と黒の宮と呼ばれ、10代ほど前の王妃が嫁いできたときの記念に建てられた宮であり、その名の通り、門が赤と黒に塗られている。王妃の母国から来た衛兵が宿泊していて、その制服が赤と黒だったから、というのが由来...
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53 悪女にはなりません

「何ですって?ミアが神殿に現れた?」  宰相補佐にして、ルドルフの側近であるクラウスの銀縁の眼鏡がずり落ちそうになった。いつも怜悧さを放つ漆黒の瞳が驚きに見開かれる。 「ええ。わたしにも加護をくださいってねだりに来たわ。」 ...
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52 彼女は変わりません

神殿の入口にはすっくと大きく葉を伸ばしたシンビジュームがあって、ピンクの大輪の花をぎっしりとつけて直立している。その前で花と同じピンク色の髪の、まだ少女といっていいような幼さを残した女性が背筋をぴんと伸ばして何か話している。ベビーピンクの...
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51 聖女の務め

ハイリゲンクロイツ王国に冬がやってきた。王都で積もるほど降ることは少ないが、それでも空はどんよりと曇っていることが多く、ちらほらと白い雪が舞う日もある。そんな日はなるべくなら暖炉の前から動きたくない。 「いずれノルトグレシャーに行く...
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50 夫婦の形

 薔薇園でのお茶を愉しんだ後は、王妃に案内されて、王妃が暮らす宮へと上がる。 結婚式で王太子妃が身に着けるティアラは代々の妃に受け継がれるものから選ぶことになっており、今はマリア王妃が管理している。  私の頭の形に合うもの、ド...
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49 王妃様とお茶会をします2

「そういえば。」 マリア王妃は私に茶菓子をすすめながら言う。 「ベルタが迷惑をかけたようね。済まなかったわ」 「いえ。怪我人も出ませんでしたし。あれをきっかけに歩道が整備されて安全になりました。」 「あの子ったら…...
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48 王妃様とお茶会をします1

ガーデンテーブルには、ティーポットに茶菓子が並んでいる。 「色々と決めなければならないこともあるけれど…まずはお茶にしましょ」 「はい、王妃様」 私が頷くと王妃の合図を受けて、侍女がお茶を煎れてくれる。花のような甘く優し...
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47 籠の中の鳥です

襲撃事件から一週間。  ルドルフから王宮の外に出ることを禁止され、私はすっかり籠の鳥になってしまった。とはいえ、王宮には私の大好きな図書館に、時々散策を楽しんでいる設えの異なるいくつかの広大な庭園もあって全てが整った贅沢この上ない籠...
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