逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません! 34 以前の私と今の私 「…聖女?私が…?」 私は神官の言葉の意味を上手く飲み込めずにいた。 「そんなことできませんよ。だって光の魔力が…あ…」 とそこまで言って、思い当たった。昨夜散々魔力を注がれたことを。 「光の魔力はお前... 2022.10.14 逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!
逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません! 33 神殿は初代聖女を祀ります 神殿へと向かう馬車の中で、なぜか私はルドルフの膝の上に座らされている。文句の一つも言いたいところだが、にまにまと、満足そうにしているルドルフの顔を見ると、何も言えなくなってしまう。 今も上半分だけ編み上げた私の髪をすくっては自分... 2022.10.13 逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!
逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません! 32 どうやら限界突破のようです 「ま。待ってください、限界って…」 私の身体を挟んで寝台に両腕をついたルドルフは荒い息をしている。「魔力が暴走しそうだ」 そう言った王太子の頬は赤く、サファイアの瞳には妖しい光がさしている。首筋には玉のような汗が光り、とてつもない色気を放... 2022.10.12 逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!
逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません! 31 時を超えて5 1 「あぁ…そう…だよな」 王太子はクシャっと頭をかいた ―何のことだろう 「覚えているか?あの時のことを」 「ええ…もちろんです」 王宮の中庭で、木登りをして落下したところをルドルフが受け止めてくれ... 2022.09.28 逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!
逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません! 30 時を超えて4 30 北の山に出現したドラゴンは小さな山一つ分はあるような巨体で、黒く鈍く光る鱗を持ち、その目は赤く光っていた。周りには瘴気が満ち、長い尾が左右に揺れている。 ”ゴオオオーー” 地響きのような唸り声を上げている。騎士団... 2022.09.26 逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!
逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません! 29 時を超えて3 29 「……どういうことですか?私はあなたの光の剣に刺されたのだと…」 王太子は金の髪を搔き上げながら首を振った。 「光はお前の身体の中からあふれ出た。光の魔力が放出されたんだろう」 「私が…光の魔法……... 2022.09.25 逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!
逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません! 28 時を超えて2 その時の私は、まさに人生の絶頂期、我が世の春にあった。王国の小さな太陽とうたわれ、眉目秀麗、人望もあり、賢君になること間違いなしと人々が口々に褒め称える王太子。しかも、久しぶりに明らかになった聖女が、私の妃になることが決まったのだ。心優し... 2022.09.24 逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!
逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません! 27 時を超えて1 空には満ちきった月が上っているようで、窓から差し込む光の明るさが増した。ルドルフの黄金色の髪が光を帯びて輝き、星屑を散らしたように見える。サファイアの瞳は濃さを深め、吸い込まれそうだ。どこまでも美しく、そして官能的。ここにきてな... 2022.09.23 逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!
逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません! 26 これしか方法はないようです 26 部屋の扉を開けると、続く部屋は小部屋のついた部屋で、入るのは初めてだ。小さな灯りだけなので部屋全体の様子はよく分からないが、大きな寝台があるようだ。続く扉は、こちら側から鍵がかかっているので、それを開けて次の部屋に進む。こち... 2022.09.18 逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!
逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません! 25 これからどうすればいいのでしょうか 王太子宮の自分の部屋に帰った私は、ベッドに突っ伏していた。 衣装を解いて、ゆったりした部屋着に着替えてハンナの煎れてくれた紅茶を飲むと気持ちが少し落ち着き、それと同時に魔力も暴れなくなった。ハンナが魔力枯れか、殿下に連絡を、と慌て... 2022.09.14 逆行した悪役令嬢は貴方なしでは生きられません!