こんにちは。
えなです。
ダイエット目的で始めたピラティス。
すっかりハマって、インストラクターの資格を取得しました。
マシンピラティスは、ただ筋力を鍛えるだけでなく、正しい姿勢を身につけることや現在の身体の状態を把握し、適切な方法で体のラインを整えていくことを目指します。
この記事では、マシンピラティスの基本的な動作とその効果を紹介し、より多くの人々に魅力を伝えることを目指しています。
マシンピラティスにはどのような種類があり、どのようなエクササイズが行われるのか、そしてピラティスを通じて期待できる姿勢改善の効果についても説明しています。
初めてピラティスに挑戦しようとしている方、すでに始めているけれど動作に自信がない方は、ぜひ参考にしてください。
ピラティスとは?
ピラティスは、1883年生まれのドイツ人ジョセフ・H・ピラティス氏によって考案されたエクササイズ法です。
第二次世界大戦中、ピラティス氏はイギリスの収容所に収監され、そこで肉体的なトレーニングが必要な仲間たちに、自身が開発したエクササイズを教え始めました。戦後、彼はドイツに戻り、リハビリを必要とする患者たちに指導を行います。
その後、ピラティス氏は単身でアメリカに移住し、ニューヨークでスタジオを開設しました。彼は独自のトレーニング機器を開発し、それを使ったエクササイズの指導も行います。近隣のダンススタジオに通うダンサーたちも興味を持ち、体のメンテナンスやトレーニングの一環としてピラティスを取り入れるようになりました。
ピラティスは、もともと負傷者のためのリハビリテーション方法として開発されましたが、ニューヨークのダンサーたちを中心に評判が広まり、徐々にスタイルが確立されて世界中に普及していきます。現在、ピラティスの指導はピラティス氏の直弟子たちから継承され、第三世代の指導者たちが世界各国で行っています。
マシンピラティスとは?従来のピラティスとの違い
マットピラティスは、どこでも行えるのでスタジオでのレッスンだけでなく、自宅でも取り入れやすいエクササイズとして広がっています。
一方で、マシンピラティスとは、専用の器具(マシン)を使用して行うピラティスのエクササイズです。伝統的なマットピラティスが床に敷いたマットの上で行われるのに対し、マシンピラティスではリフォーマー(Reformer)、キャデラック(Cadillac)、ワンダーチェア(Wunda Chair)などの専用器具を使います。
マットピラティスとマシンピラティスには、共通するエクササイズもありますが、それぞれの特性も存在します。
まず、マシンを使って正しい姿勢や動きを身につけることで、マットピラティスにおいても正確な動きを意識しやすくなります。
つまり、マシンを使って、最初に基本原則を理解することで、マットピラティスでも効果的なトレーニングができるようになるのです。
私も両方やりましたが、マットよりもマシンの方が体の動かし方が分かりやすかったです。
要するに、マシンを利用して基礎を固めた後にマットピラティスを行うと、より効果的にトレーニングを行えるのですね。
マシンの種類
ピラティスマシンには、さまざまな種類があり、それぞれが異なるエクササイズや目的に対応しています。以下は代表的なピラティスマシンの種類です。
1. リフォーマー(Reformer)
- 概要: 最もポピュラーなピラティスマシンで、フラットなプラットフォーム(キャリッジ)にスプリングが取り付けられ、キャリッジが前後にスライドします。
- 特徴: 全身のエクササイズが可能で、特にコアの強化、柔軟性の向上、姿勢改善に効果的です。
- エクササイズ例: フットワーク、ロングストレッチ、フロッグなど。
2. キャデラック(Cadillac)
- 概要: 大きなベッド型のフレームにバーやスプリングが取り付けられたマシンで、名前の由来はその豪華さから来ています。
- 特徴: 上半身と下半身を同時に強化するエクササイズが可能で、特にリハビリや柔軟性を高める運動に適しています。
- エクササイズ例: トラピーズ、タワー、キャデラックロールダウンなど。
3. ワンダーチェア(Wunda Chair)
- 概要: 椅子の形をしたコンパクトなマシンで、座ったり立ったりするエクササイズに使用されます。
- 特徴: バランス感覚を養うことができ、特にコアの強化と全身のトレーニングに適しています。
- エクササイズ例: プッシュダウン、ピラティスV、カタカタなど。
4. スパインコレクター(Spine Corrector)
- 概要: アーチ型のマシンで、主に背骨の柔軟性を高めるために使用されます。
- 特徴: 背骨のアライメントを整え、姿勢改善や肩こりの緩和に効果的です。
- エクササイズ例: ロールダウン、バックベンド、サイドベンドなど。
5. ラダーバレル(Ladder Barrel)
- 概要: 丸いバレルにラダー(はしご)が取り付けられた形状のマシンで、背中や腹筋の強化に使われます。
- 特徴: 主に背骨の伸展運動や体幹の強化に使用され、柔軟性の向上に役立ちます。
- エクササイズ例: スワン、サイドリフト、サークルスイングなど。
6. ペドポル(Ped-O-Pul)
- 概要: 垂直のポールにスプリングが取り付けられたマシンで、姿勢の改善や肩の強化に使用されます。
- 特徴: スプリングの抵抗を利用して、肩甲骨周りや上半身を中心に強化します。
- エクササイズ例: アームプレス、チェストエクステンション、ラテラルフレクションなど。
7. ジャンプボード(Jump Board)
- 概要: リフォーマーに取り付けて使用する付属器具で、ジャンプ運動を行うためのプラットフォームです。
- 特徴: カーディオ運動が可能で、特に足腰の強化や持久力向上に効果的です。
- エクササイズ例: ジャンプエクササイズ、フットワークジャンプなど。
8. アークバレル(Arc Barrel)
- 概要: 背骨のサポートやストレッチに使用するアーチ型の小型マシンです。
- 特徴: ストレッチ運動や背骨の柔軟性向上に適しており、肩や背中の強化にも役立ちます。
- エクササイズ例: アークバック、サイドベンド、サイクリングなど。
マシンピラティスの基本動作
マシンピラティスの基本動作を紹介します。
リフォーマーを使った動作
ピラティスのリフォーマーは、様々なエクササイズを行うことができる便利な器具です。ほとんどのピラティススタジオで使用されています。
シングルサイストレッチ
リフォーマーを使ったエクササイズの一例として、シングルサイストレッチが挙げられます。
このエクササイズは後ろ脚の股の付け根のストレッチや前脚のもも裏のストレッチにききます。
もも裏の筋肉が短くて骨盤が後ろに傾いており、背中が丸くなっている方には、特に姿勢改善効果が期待されます。
もも裏の伸びを促すことで、骨盤が正しい位置に整い、背骨を正しく伸ばすための基礎が整えられます。
このようなエクササイズを継続することで、姿勢の改善やコアの強化など、身体全体のバランスを整えることができます。
ラウンドバックストレートバック
骨盤周りの下腹の筋肉を鍛える”ロールバック”と腕を上げて重みを支える”リーン”的な動きの組み合わせです。
ロールバックという動きでは、骨盤を後ろに転がすことで、骨盤周りの下腹の筋肉を鍛えることができます。これにより、姿勢がよくなり、立っているときにお腹が前に出るというような悪い姿勢が改善される効果が期待されます。
また、腕を上げる動きやリーンと呼ばれる動作では、腹筋が働きます。腕の重みを支えるのに腹筋が負担を受け、背骨を起立させた状態で傾く際には、腹圧を保ちつつ上背部の筋力を使うことで姿勢が維持されます。
キャデラック
キャデラックマシンは、ピラティス氏によって初めて作られたマシンで、スプリングの抵抗を活用することで、基本的な筋力を強化するトレーニングが可能です。
さらに、キャデラックマシンは元々ベットから派生したものであるため、身体をしっかりと支える接地面が多く、安定したサポートを得ることができます。そのため、初めてピラティスを行う人や運動経験の少ない方でも安心してトレーニングを始めることができるでしょう。
ティーザー
ティーザーは、体の上半身を起こす際には上腹部の筋肉が、下半身を上げる際には下腹部の筋肉が使われるエクササイズです。
ひざを伸ばす際には、ひざが曲がらないように働くひざ上の筋肉や、脚を持ち上げる際には、股関節周辺の筋肉が活動します。これにより、安定した姿勢を保つことができ、腰痛の緩和や姿勢改善が期待できる運動と言えます。
反り腰や猫背の改善を目指す際にも効果的であり、特に腰を安定させ、胸を起こすことで理想的な姿勢を維持する練習ができます。バーのサポートを利用することで、難しい動きにも取り組みやすくなります。しっかり腰を落ち着かせ、胸を持ち上げる姿勢を維持することで、身体全体のバランスや姿勢を改善することができます。
ロールダウン
ロールダウンでは、鍛えられる部位は肩甲骨の内側の筋肉であり、バーに過度な引っ張りが加わるのを防ぐために腹筋が活躍します。
この動作中、背骨はベッドに沿うように保持されていきます。特に効果的なポイントは、バーの補助を受けながら骨盤を前方に戻す「ロールバック」の動作です。
例えば、反り腰の方が正しい支点を維持するのが難しい場合、股関節の前に支点を形成することが多いかもしれません。
しかし、ロールバックを行うことで正しい支点に背骨を戻すことができるため、反り腰の改善に繋がります。このように、ロールダウンは姿勢の改善や腹筋の強化に効果的なトレーニング法と言えます。
チェア
チェアは、その名の通り椅子に似た形状をした非常にコンパクトなピラティスマシンです。
小さいながらも、「仰向け」「四つん這い」「膝立ち」「座位」「立位」など、さまざまなポジションでのエクササイズが可能です。元々はアパートに住む人々向けに設計されたため、一般の家庭でも使いやすいサイズですが、実際にはピラティスのエクササイズでは主役級の存在です。
フォワードステップアップ
鍛えられる部位
斜め前に傾けた胴体を支えるための背筋と、前脚で地面を踏み込んでステップアップする際に働く太ももの筋力が鍛えられます。
姿勢改善効果
太ももの筋力が低下すると、背中を丸めながらステップアップする癖がつきやすくなります。背中をまっすぐに保ちながら脚の力を使う習慣を身につけることで、普段の生活でも背筋を伸ばして階段の上り下りができるようになります。
トルソプレスシッティング
鍛えられる部位
骨盤周りの腹筋が、後ろに倒れないよう体を支え、背中の曲線を保つために上部の腹筋が働きます。脚を持ち上げる動作では股関節周辺の筋肉が脚を支えます。
姿勢改善効果
お腹を膨らませて力を入れる癖があると、体のバランスが前後に崩れやすくなりますが、お腹を平らに保ちながら力を入れることで、背筋が伸びた美しい立ち姿勢を作りやすくなります。
ラダーバレル
ラダーバレルは、ピラティスの創始者ジョセフ・ピラティスがワインの樽から着想を得て作り出したと言われています。
樽のようなバレルと梯子のようなラダーが組み合わさったこのマシンは、バレエダンサーにも愛用されており、柔軟性の向上や背骨の伸展、姿勢改善を目的としたエクササイズに使用されます。
スワンダイブ
鍛えられる部位
背筋を使って背骨を反らし、腹筋で腹圧を保ちつつ、体をさらに起こすためにお尻の筋肉が動員されます。
姿勢改善効果
このエクササイズでは、背中・お尻・太ももの裏の筋肉を同時に使うため、それらが協調して働くことが促され、姿勢を美しく保ったまま歩くことが容易になります。
サイドベント
鍛えられる部位
腰の過剰な反りを防ぐための腹筋、背骨の捻じれを防ぐ骨盤周辺のインナーマッスル、そして体を横に曲げるために必要なお腹の横の筋肉が関与します。
姿勢改善効果
体の側面の筋肉が適切に働くことで、横からの圧が体に加わり、前に進む力が効果的に発揮され、動きがスムーズになります。これにより、ウエストが引き締まり、美しい体のラインが形成されます。
スパインコレクター
「背骨を整える」という意味を持つスパインコレクターは、背骨の歪みを矯正するのに効果的なマシンです。
長時間のデスクワークやスマートフォンの使用による背骨や首の歪みを正し、猫背や反り腰の改善に役立つエクササイズが多数用意されています。
ポールドブラ
鍛えられる部位
背骨をアーチ状に曲げる際に働く腹筋、そしてアーチから体を起こす時にも腹筋が重要な役割を果たします。
姿勢改善効果
反り腰の方は腰とアーチが接する感覚を持ちにくく、猫背の方は背中を反る際に腰が浮きやすいです。このエクササイズを通じて、自分の姿勢や背骨の状態を認識することができ、反り腰や猫背の改善につながります。
シングルレッグエクステンション・スパイナルエクステンション
鍛えられる部位
シングルレッグエクステンションでは、片脚を上げる際に太ももの裏とお尻の筋肉が使われます。スパイナルエクステンションでは、背筋を使って体を起こし、腹筋で腰を保護しながらお尻と太ももの裏を使ってさらに体を引き起こします。
姿勢改善効果
お尻の筋力が低下して平坦になると、骨盤が前方に移動しやすくなり、つま先に体重がかかりがちです。お尻の筋力を保つことで、かかとにしっかりと体重を乗せることができ、安定した姿勢で立つことができるようになります。これにより、外反母趾の予防やふくらはぎの疲れを軽減できます。
マシンピラティスの動作の効果とメリット
マシンピラティスは、特定の動作を通じて筋力を強化し、姿勢を改善し、柔軟性を高める効果があります。
筋力強化
マシンピラティスでは、リフォーマーやキャデラックといった器具を使用することで、体幹部や四肢の筋力をバランスよく鍛えることができます。例えば、リフォーマーのスプリング抵抗を利用することで、深層筋(インナーマッスル)に効果的に負荷をかけることが可能です。
姿勢改善:
マシンピラティスは、体幹部の安定性を高めることで、背骨の自然なアライメント(配列)を取り戻し、猫背や反り腰といった姿勢の問題を改善することが期待されます。これは、特定の筋肉群を強化しつつ、体の使い方を再教育する効果があるためです。
柔軟性向上
マシンを使ったエクササイズは、関節の可動域を広げ、筋肉の伸展を促進することで柔軟性を高めます。特に、リフォーマーを使った動作では、筋肉の長さを意識しながらストレッチを行うことができ、無理なく柔軟性を向上させることが可能です。
マシンピラティスの動作に関するよくある質問(FAQ)
ここからは、マシンピラティスに関するよくある質問にお答えします。
Q1: マシンピラティスは生理中でも行えますか?
A: はい、生理中でもマシンピラティスを行うことが可能です。マシンピラティスを行うことで、筋肉がほぐれ、血流が良くなるため、生理痛の緩和にもつながることがあります。しかし、経血の量が多い時期や生理痛が強い場合は、運動によって血流が増える可能性もありますので、自分の体調に合わせて無理をせず行いましょう。特に生理中は、低強度のエクササイズを選び、お腹にかかる圧力が過剰にならないよう注意することをお勧めします。
Q2: マシンピラティスは誰でもできますか?
A: マシンピラティスは、初心者から上級者、またどの年代や性別の方にも適したエクササイズです。マシンのサポートを活用しながら、インナーマッスルをバランスよく鍛えることができるため、姿勢の改善や基礎代謝の向上が期待でき、ダイエットにも効果的です。また、体幹の安定性が向上することで、腰痛の改善やスポーツパフォーマンスの向上にも役立ちます。男性にも最適なトレーニングです。
Q3: マシンピラティスの前後に適した食事はありますか?
A: マシンピラティスを行う際は、満腹状態を避けることが重要です。消化不良や自律神経への影響を避けるため、運動の2時間前までに食事を済ませることをお勧めします。もし運動直前に食事をとる必要がある場合は、プロテインバーやゼリー飲料など消化しやすい軽食が良いでしょう。運動後には、タンパク質や炭水化物、ビタミン、ミネラルをバランスよく摂取することが大切です。ダイエットを目的としている方は、運動前後1〜2時間を空け、野菜中心のバランスの取れた食事を心がけてください。
Q4: マシンピラティスで痩せることはできますか?
A: マシンピラティスは体幹を効率よく鍛え、ボディメイクや減量に効果が期待できるエクササイズです。ダイエット目的でピラティスを始める場合、週2〜3回の継続的な実施が推奨されます。インナーマッスルを鍛えることで基礎代謝が向上し、日常生活でも痩せやすい体質へと変化していくことが期待されます。また、ジャンプボードを使用するトレーニングでは、有酸素運動も取り入れられるため、特にダイエットに適しています。
Q5: マシンピラティスは体験できますか?
A: ほとんどのマシンピラティススタジオで、体験レッスンや見学会を受けることができます。リフォーマーを使ったマシンピラティスは、短時間で効果的なボディメイクや身体調整が期待できるため、興味がある方はぜひ体験レッスンに参加してみてください。リフォーマーを活用したトレーニングは、マットピラティスよりも効果的で、特に理想的な体型を目指す方に人気です。
マシンピラティスの動作を取り入れよう
マシンピラティスは、継続的に取り組むことで体幹の強化、姿勢の改善、柔軟性の向上といった多くの効果をもたらします。
これらの効果は日常生活に大きな変化をもたらし、健康的で快適なライフスタイルを実現するための基盤となります。定期的なトレーニングを通じて、身体のバランスを整え、より良い体調を維持できるようになります。
まずは一歩を踏み出し、マシンピラティスを生活の一部に取り入れてみてください。
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